2015年12月25日金曜日

馬に問うてみよ

馬に問うてみよ  


「しかし獣に問うてみよ、それはあなたに教える」(ヨブ12:7)

 第二次大戦の最中、連合軍の圧倒的な砲弾の前に、義父の属していた南方軍部隊は道を選ぶゆとりもなく敗走しました。ひ弱な体つきの義父が、周りの驚きをよそに甲種合格、入隊となってしまった身でしたが、どうにも行軍についてゆけません。山を、谷を、泥の河をと、所かまわず敗走する敗残部隊の隊列からじわじわと遅れ、隊伍から離されてしまいます。いつも、やっとの思いで部隊に追いつく経験の繰り返しでした。ある日もジャングルを敗走していました。そして、とうとう後続部隊を見失ってしまい、薄暗い森の中をどう進めばよいか分からなくなってしまい途方にくれました。日没後の道なき道を辿るのは容易ではありません。いや不可能の状態でした。困った父は立ち止まり、そこで祈りを捧げました。そのとき、冒頭のようなヨブ記の一節を思い出したのです。上官の馬を引いていた義父は、馬を先に立たせて歩き出しました。馬は見事、部隊が休息していた場所に義父を導いたのです。

文脈の意味と多少異なる経験ですが、神はご自身に信頼を置く者を決して見捨てることはなさいません。義父は聖書を背のうにしのばせ、通読を欠かさない人でしたが、み言葉に親しんでいたからこそ、折にかなった神の言葉を思い出し、その実効性を体得したのでした。聖書には、信じる者に保証された3573の約束がある(ラフボロー)と言われています。聖書は単なる道徳訓の書物ではありません。生ける神はあなたの生活に介入しておられ、求めるあなたの人生に救いを与える実際的なお方なのです。





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